2012/04/29 - エミライショールームにお邪魔してきました。

 こんばんわ。中の人です。

 今日は、PCオーディオ事業を手がけるエミライさんのショールームで高級オーディオを堪能してきましたのでその話です。

 エミライさんは去年(2011年)の5月にできたばかりの会社ですが、PCオーディオの世界ではけっこう(とても?)メジャーな会社で、ネットでもいろいろ良い評判を聞いています。僕はオーディオ趣味とかはないんですが、PCオーディオ担当のえるえむさんとは大学の友人という縁もありまして、まったく営業にならない客で申し訳なかったんですが、フォロワーさんと一緒にお邪魔してきました。こんな機会でないと高級オーディオで音楽を聴くことなんてできないので、総額200万円という、オーディオマニア的にはたいしたことないんでしょうが、素人的には目玉が飛び出るような金額のシステムを堪能させていただきました。


▲ こちらがシステム一式です。普通のリビングをイメージしているとのことです。


 今回の主目的は、先日出たLUNA SEAのTHE ONEがクオリティ別に3パターンあるという、エイベックスらしい、でも今までのエイベックスとはちょっと違う売り方をされたので、どれだけ違うのかというのを試してみたい、ということでした。高いシステムをくだらないことに使ってしまってすみません・・・。


▲ 3パターン並んだ「THE ONE」。ジャケットは同じなので中身を取り違えないように気をつけます。


 先に断っておきますが、エミライさんのショールームを訪問された方のブログなどはちょっと検索すればざくざく出てきますが、みなさん基本的にオーディオマニアの方々なので専門的な感想を書かれています。しかしぼくはオーディオには本当に無頓着なので、そういった人たちのように音のどこがどういいとか、この点がいいとか悪いとかいうことが全く分かっておらず、ものすごく素人的な感想しか書けません。いちおうご了承ください。

 えるえむさんからは、やはり普段いらっしゃるお客様はオーディオに関しては一家言ある方たちばかりで表情や仕草がクールに見えるんですが、久しぶりに感動を素直に表してくれる人たちだったのでこちらも嬉しかったです、と言ってもらえたのでまあいいかなと思ってます・・・。

 さて、まず最初にTHE ONEの通常版、HQCD版、SACD版を3枚並べて順番に5分くらいずつ聴いてみましたが、SACD版はちょっと音が違うなということはなんとなく分かったんですが、通常版とHQCD版の違いははっきり言って分かりませんでした。

 まず3枚続けて聴いた後、えるえむさんからオーディオ的な聴き所の解説をいただきました。音の聞こえてくる位置(前後・左右)が違う、低音の下が違う、音の始まりと終わり(立ち上がり・立ち下がり)のクリアさが違う、という話を聞いた後改めて3枚を聴き比べると、通常版とSACD版は明らかに違うなということが分かります。今回のシステムは5.1chではなく2chでしたが、通常版ではドラムが真ん中辺にあるなということが分かるレベルでしたが、SACD版だとハイハットが向かって右上あたりにあるということが明らかに分かりましたし、RYUICHIの声もはっきりと聴こえました。


▲ えるえむさんのオーディオ聴きどころ解説。勉強になりました。やっぱりろくろは回しています(笑)


 最初に通常版を聴いたときは、システムそのものの品質のおかげで、何をこれ以上良くするのかと思いましたが、SACD版を聴いた後では通常版のほうが全体的にこもった音だというのが明らかでした。ただ、残念ながら僕の耳ではHQCD版はほとんど通常版との違いがわかりませんでした・・・。

 続いて、システムのセッティングのこだわり、つまり部屋や機材のセッティングでどれだけ音が変わるかというのを試してもらいました。

 まず最初はオーディオラックの上の吸音用の布を取ったらどれだけ違うかを聴き比べさせてもらいましたが、これは僕の耳では違いが分かりませんでした・・・。えるえむさんは全然違うと言っていましたが(笑)このあたりはもう好みの問題でもあると言っていたので、無理に分かる必要はないんでしょうけれど。

 他に試してもらったのは、ケーブルが床に接地しないようにかましてあるブロックをとったらどうなるかと、部屋の真ん中の反響板をどけたらどうなるか、そして電源ケーブルを変えたらどうなるか、といったことです。

 前二つはなんとなく理屈では多少変わりそうな気がしますが、僕の耳ではわかりませんでした。しかし、一番どうでもよさそうな電源ケーブルは明らかに音が違いました。電源ケーブルで音が変わるなんて、オカルトのレベルだと言う人もいるようですし、確かに音声信号とは全く関係ないところなので変わるわけがないという気がしますが、これが素人耳にも一番違いが分かったというのがオーディオの不思議なところですね。

 一応値段差のあるケーブルだったんですが、値段の違いを聞かずに音を聴いたら、僕が好きなのは安いほうのケーブルでした。こうなると完全に好みの問題ですね。

 そしてCDはいったん終わり、次はDVDの見比べに突入です。持参した「3D in LOS ANGELES」「A Promise to The Brave」「THE FINAL ACT」をとっかえひっかえしながら観てみました。もう途中から単なるDVD観賞会になってしまい、音を聴くという雰囲気ではなかったですが(笑)、一応比較ということで、3枚共通に収録されていて一番音がわかりそうな「Providence」でテストしてみました。


▲ ほぼ観賞会です。映画館で観ているようでした。


 さすがにライブ盤だと、録音とかマスタリングで音が全く違いますね。さいたまは良く言えばライブ感が出ている、悪く言うと明らかに音が悪くて、ベースの下のほうなんて割れるか割れないかのギリギリという感じでした。いっぽうロスのほうはライブ盤なのに音がはっきりときれいに聴こえ、逆にライブ感はありませんでした。えるえむさんは、さいたまはマイクで録っているけどロスのほうはライン入力で録ってるんじゃないかな、と言っていました。

 FINAL ACTは・・・これは音よりもメンバーが若い!(特にRYUICHIが別人!)ということに気が行ってしまって本当に音どころではなくなってしまいましたが、音的にはさいたまとロスの中間という感じでした。東京ドームの反響がけっこうリアルに出ていましたね。

 あとオーディオ的におすすめのCDを何枚か聴かせてもらいまして、中でも圧巻はホルストの木星でした。そもそもこのCD自体が録音クオリティが高く、絶版になっているせいでプレミア価格が数万円だという貴重品だそうなのですが、もうオーケストラが本当に目の前にいるかのような再現力で、CDなのに聴き終わって自然と拍手してしまうくらいの素晴らしい音でした。自宅でこれを聴くために数百万円出すという層がいても確かにおかしくはないと思うレベルでした。


▲ 生演奏を聴いているかのような見事な音でした。


 最後に、現実的なお値段のものということで、もうちょっとお手頃な値段の真空管アンプを使ったシステムでも聴かせてもらいました。まだ値段は未公開ということでしたので出せませんが、位置セッティングなんかもしてなくて棚に入っているだけのものだったので、200万円のシステムよりはさすがに臨場感が落ちましたが、えるえむさんも言っていましたが、この値段だと思えばすごくいいものでした。200万はいくらなんでも買えませんが、このくらいの価格帯だったらボーナスがたくさんもらえたら買ってもいいかな、という気がします。


▲ この一式で(ピーー)万円だそうです。


 もともと2時間でお願いしていたんですが、後もつかえてなかったので、気づいたら4時間以上もお邪魔してしまいました。えるえむさんもあとは帰るだけだということだったので、そのままフォロワーさんたち含めて飲み会に突入し、こちらではオーディオとは全く関係ないお話を楽しませてもらいました。本当にありがとうございます。

 オーディオは、こだわり出すときりがない世界なので、個人的にはあまり手は出したくないところですが、でもこれだけ音が違うというのは愕然とします。CDってこんなにたくさん音が入っていたのか、と驚かされます。えるえむさんは、そうはいっても音楽なんで、音が良いとか悪いとかよりまず好きな音楽を聴くことが一番ですし、その上で良い音で聴きたいと思ったらこういうことをしてみるとまた違った楽しみ方ができますよ、ということを話されていました。営業的にはあまり良くない発言なんでしょうが、こだわりすぎてせっかくの音楽が純粋に楽しめなくなってはどうしようもありませんので、そういう意味ではまともな感覚でモノを売っているんだなと思いました。

 やっぱり高ければいいってものでもなくて、音なので好みの世界なんですよね。その人の好みに合ったシステムを組む、というところがオーディオの面白いところで、また奥深いところなんだなと感じました。それについても、たとえば一流の料理人は高い食材のことを知っているから安い食材でおいしいものを作れるし、高い化粧品を使ってきた女性だから安い化粧品でも上手にメイクができるようになるのと同じで、金さえ払えば素人でもそれなりの品質は出るに決まっていて、手頃な値段で良い音を引き出せるっていうことがいいんですよね、と言っていたのが印象的でした。


 さて、以下は宣伝です(笑)

 えるえむさんは、オーディオ業界ではけっこう有名な方で、去年コミケに出した「PCオーディオガイドブック」があまりのクオリティの高さ(内容ももちろんですが、本としての品質が半端なかったんです)に2ちゃんなどでも話題になり、同人誌なのに増刷したうえ、インプレスから商業ベースで発売されるという実績をお持ちです。またそのうちなんかコミケに出したいんだよねーという話を帰りの電車で聞いたので、ファンの方は震えてお待ちください(笑)


▲ 本日のシステムのマシン部分です。


 そしてエミライさんは、BCP(事業継続)のコンサルティング事業と、PCオーディオの事業を手掛けている会社ですが、おそらく個人としてお世話になる可能性があるのは後者だと思います。『マニア集団で構成されているエミライとしては、マニアをターゲットにしつつエントリー層とエンスー層に受け入れられるような商品展開を模索しています』とのことです。オーディオマニアの世界に足を踏み込んだ、あるいはこれから踏み込んでみようと思っている方にはぜひ一度エミライさんのショールームに行かれることをおすすめします。

 ショールームは、家電量販店のオーディオコーナーなんかとは違い、一般的なリビングでどれだけ高品質なオーディオが楽しめるかという観点で作られていますので、けっこう楽しめると思います。素人なら単純にその音の良さだけで度肝を抜かれることは間違いないですが、詳しい方でもみなさん満足して帰られるということですので、一度お試しいただき、よろしければ何か買ってください(←ここ重要)


▲ システムの裏側。この瓶も音響に重要な役割を果たしているそうです!


 ショールームの場所は、地図では大崎駅が最寄りとなっていますが、実際にはJR山手線の大崎駅と五反田駅の中間くらいです。大崎駅からですと歩いて5〜10分くらいのところになります。予約制ですのでお電話してからお出かけください。

 あと、写真で見ると部屋がわりと広いように見えますが、ソファの位置で音がきれいに聴こえるようにセッティングされているため、3人が限界とのことです。大人数で行ってもせっかくのクオリティが楽しめませんので、お出かけの際はご注意ください。