2012/10/31 - Raphael(初日)

平成24年10月31日 Raphaelの翼は結局生えてきたのか
 「天使」と「翼」のキーワードから真っ先に浮かぶ曲は「片翼の天使」です。こんばんわ中の人です。セフィロス様ばんざい。

 2001年1月の渋谷公会堂を終えて、「新しい翼が生えてくるまで少しだけ眠ります」と言い残したまま、12年も眠っていたRaphaelがようやく起床しました


(リンク先はミラーです)


 「もう少し」と言って延々と引き延ばした例ではドラゴンボールの亀仙人が超有名ですが、あれですら6年ほどでしたし、出す出す詐欺で有名な元祖ヴィジュアル系バンドも2008年にアルバムの計画を発表したまままだ出ていませんが、これも4年ほど引き延ばされているに過ぎません(このまま永久に出ない可能性もありますが)。



 ビジュアル系ではもちろん、世間一般的にも類を見ない長さの「少し」になったRaphaelの長いお休み、これはやはり華月の抜けたダメージがいかに大きかったかを物語っていると良心的な解釈をしておこうと思います。決して大麻所持で逮捕されたメンバーのせいだとは思っていません。




 ライヴの中身よりもまず触れたいのは、今回の発表当初から様々な予想が飛び交っていたサポートギターのことです。Anchangがサポートするということはすでにうっすらリークされていましたが、蓋を開けたらそれどころではありませんでした。前半はAnchangと夢人、後半は咲人とLidaという当番制でのサポートです。

 なんですかこのヴィジュアル系オールスターズ的なメンバーは。SEX MACHINEGUNS、AYABIE、(元)Psycho le Cemu、ナイトメアってバンギャが体中の穴から液体を垂れ流して喜ぶメンツです。これにRaphaelを加えた5バンドのイベントなんかあったらいろんな意味で大変なことになります。

 そんなわけである意味サポートのほうが豪華という、いつかの雅もビックリなラインナップでのライヴ、それはもう大変でした。

 1曲目の『花咲く命ある限り』から客席とステージをぐるんぐるん照らす照明ワーク、Raphaelのサポートなのに衣装をまったく合わせる気がないのか革ジャンで頭をぐるんぐるん回しながらギターを弾くAnchang、初っ端からステージはカオスです。

 その後も、なんとなく盛り上がり切らないままセットリストだけが進んでいくという、なんともいえない雰囲気でライヴは進行します。なんといっても、YUKIはお祭り騒ぎしよう、笑って楽しもう、と何度も言うんですが、お客が途中までまったくそんな雰囲気にならなかったというのが大きいです。そりゃそうです、スクリーンに華月をでかでかと映されてニコニコして見れる人のほうが今日は少ないはずです。当然のごとく客席は号泣、みんな涙を拭きながら観ているので手扇子すらないという異様な雰囲気。あれっおかしいな目から汗が。

 アンコールに至っては、「一度も四人で演奏できなかった曲」というMCからの『秋風の狂詩曲』。客の7割が涙腺決壊です。タイトルコールで泣き崩れる客続出です。これはだめですよ。あれっおかしいなまた目から汗が。

 ところが1回目のアンコールのラストは「三十路の三人が歌います、『Teenage〜卒業〜』!」という、今日一番の笑いを取った曲紹介が炸裂し、ここで雰囲気が一変。さらにダブルアンコールでは先週撮影されたという白塗りでの撮影会の写真お披露目、どういう雰囲気にもっていきたいのかまったく読めません。YUKIは白塗りのHIROを見て、これでほっぺに赤入れたら樽美酒先生だよ、と突っ込みますが、なんのことはありません、全員そうです。しかし10年の歳月はあまりにも大きく、白塗りでも小皺が非常に目立っていました。無理しないほうがいいと思います。

 ダブルアンコールではサポートメンバーを再度呼び込んで演奏したんですが、Anchangの『ハックルベリーの恋』はないです。これは彼から一番遠いところにある曲だと思います。そのあと咲人・Lida組は『Evergreen』を演奏したんですが、ここは逆のほうがよかったんじゃないでしょうか。

 そしてラストはサポートを全員呼び込み、スクリーンには華月が大映しの状態で『夢より素敵な』。なんですかこの無敵バンドは。もう鼻血が止まりません。

 最終的に本編13曲・アンコール8曲で計21曲という、Raphaelとしては比較的多めなセットリストだったと思いますが、なぜか曲数の割に時間がかかっており、トータル3時間半もかかっています。なぜだろうと考えるに、写真紹介が長すぎたんでしょう。30分も写真見ながらしゃべっていたらそりゃそうです。その白塗りで演奏してくれたら凄かったんですが、画面の中だけではなんとも。まあ面白かったからいいですけどね。まあ、10曲を2時間半かけてやるどこぞのバンドよりはマシです。

 あと小ネタをいくつか挙げますと、『cadenza』発表当時にファンから「カレンダーなんてふざけたタイトルつけるなんてどういうことですか!」という手紙を受け取って、思わず「calenderじゃねえし!」と突っ込んだ話や、riceのライヴでエンディングに使っている曲を今日のエンディングでも使ったことについて、実はこの曲は『新世紀を駆けぬけろ!』Tourのオープニング曲だったこと、アンコールで全員が自分のメンバーTシャツを着て登場し、華月Tシャツを華月のギターに着せたはいいもののステージに直接置いてあったため全然見えないまま終わってしまったことなんかがあります。あれっ面白い話より泣ける話が多い。おかしいな。





 さて、いちおうRaphaelとしてのライヴは今日と明日の2日間のみとアナウンスされていますが、この後はどうなるのでしょうか。先日riceの活動休止が発表されたところなので、ついつい完全復活を期待してしまいます。その昔SEX MACHINEGUNSの復活に合わせたとしか思えない絶妙のタイミングでDASEINが解散してSYPANが引き抜かれたことや、ファンのおそらく全員が解散していると思い込んでいたLa'Muleがあらためて解散して、NightingaiLと合併して両方の曲をやる新バンドを作ったことように、Raphaelそのものの復活か、それが無理ならせめて曲だけでもriceで引き継いでくれると非常にうれしいです。



 ネットアイドルち・・・じゃなくてlivehisの中の人はRaphaelを応援しています。そして今日のセットリストはこちらです。


今日は夢より素敵な夢を見せてもらいました。ありがとうRaphael。