今回は音楽とはあまり関係ない話題ですが、長いこと使っていたMP3プレーヤが壊れたので、新しいのを買うことにしました。僕はずっとファイルをフォルダ単位で管理できるCreativeのプレーヤを使っていて、MP3ファイルにタグをつけていないので、タグベースの管理が強制される現行のプレーヤはほとんど選択肢に入りません。選ぶ条件をまとめると以下の3点になります。
・ MP3ファイルをフォルダ単位で管理できること
・ PCとのファイル転送はエクスプローラでできること(専用ソフトがいらないこと)
・ 外部メモリカードが挿さること
・ それに加えて、できるだけ安く
以上を踏まえ、
Androidスマホを白ロムで購入し、SIM無し運用する(いわゆる「wifi端末」として使う)という結論に至りました。MP3プレーヤというとiPodシリーズがお約束ですが、上の条件を1つも満たせないので個人的には論外です。同じことを考えている人はたぶん相当いると思いますし、SIM無し運用に関するブログ記事などもいろいろ見かけますが、自分の覚え書きとしてもまとめておきたいので、ここで書いておこうと思います。
どのスマホを選ぶか
まず白ロムを買うといっても、家電量販店では普通は売っていませんので、買う場所が限られてきます。ネットの白ロム屋で買うほか、店舗で買うなら
じゃんぱらのような中古屋もあります。また、秋葉原の
イオシスなんかにはよく新品が店頭で売られています。あとは定番ですがヤフオクですかね。
こういった場所でいくつか調べた結果、いま(2013年2月頃)格安で投げ売りされている機種は下記の3つが多いようです。すべてに共通するのは
女性向けスマホであるということで、ターゲットを限定した結果市場が小さくなりすぎてしまい在庫がだぶついているのが原因だと思われます。なお、主要スペックもあわせて記載しておきます。
機種名 |
docomo
ARROWS Kiss
F-03D Girls' |
Softbank
HONEY BEE 101K |
au
MEDIAS IS11N |
画像 |
|
|
|
メーカー |
富士通 |
京セラ |
NEC |
高x幅x厚 |
121x59x10.9 |
117x56x13.4 |
119x59x11.9 |
重さ |
120g |
133g |
122g |
待受時間 |
約470時間 |
約450時間 |
約230時間 |
CPU |
MSM8255 1.4GHz(シングル) |
APE5R 1.2GHz(デュアル) |
MSM8655 1.4GHz(シングル) |
RAM/ROM |
512MB / 1GB |
512MB / 2GB |
512MB / 2GB |
OS |
Android 2.3 |
Android 2.3 |
Android 2.3 |
ディスプレイ |
3.7インチ 480x800 |
3.5インチ 480x800 |
3.6インチ 480x800 |
メインカメラ
/インカメラ |
810万画素/130万画素 |
515万画素/200万画素 |
808万画素/32万画素 |
ガラケー
機能 |
おサイフケータイ、ワンセグ、赤外線通信 |
赤外線通信 |
おサイフケータイ、ワンセグ、赤外線通信 |
特記事項 |
置くだけ充電対応 |
なし |
イヤホンジャックがない |
SIM無し運用 |
可能(らしい) |
可能(らしい) |
可能 |
どれも
見事にどピンクですね。Softbankとauは他の色もありますが、docomoはこれ1色です。ていうかカラー名が
「ガチピンク」です。ハート型のカメラといい、リボン型のボタンといい、富士通の発想はちょっと斜め上すぎます。
気になるお値段ですが、だいたいヤフオク相場はどれも新品で
5000円前後となっています。先月(2013年1月)の終わりごろに秋葉原のイオシスの店頭で見かけたときには、HONEY BEEとIS11Nは新品が5980円で売られていました。F-03D Girls'も他店でだいたい似たようなものですね。
この3つを比較検討した結果、
IS11Nを買うことにしました。docomoは置くだけ充電が魅力的でしたがあまりにデザインがアレだということと内蔵メモリが少なくてあっという間にパンクするということ、Softbankはどうせ買うならワンセグも欲しい(今使っているスマホはワンセグがないため)ということでボツです。
auはイヤホンジャックがないということに買ってから気づくというミスを犯してしまいましたが、microUSBとイヤホンジャックの変換ケーブルは100円ショップでも買えるのでなんとかなりました。あと、auはほかの2つと違い本体にラメが入っていないので、デザイン的にあまり違和感がないことも気に入っています。
運用方法について
電源を入れると、「SIMカードが見つかりません」というエラーメッセージが出ますが、閉じてしまえばなんの問題もなく使えます。再起動するたびにメッセージが出ますが、再起動なんてめったにしないので別に気になりませんし、動作自体には影響がないので全く困ることはありません。
ただ、ネットワークにつながらないとGoogleアカウントでのサインインができず、初期セットアップができません。無線LANでのネット接続はできる環境を用意しておく必要があります。
最初の注意点として、時計合わせを手動でやる必要があります。標準のままだと手動設定ができませんが、ローミングエリアをGSMに変更すれば設定できるようになります。
時刻が合っていないとGoogle Playにつながらないので、この設定は必ずやっておく必要があります。
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【2013/5/28追記】SDカード差し替えのため電池を外したら時計がリセットされてしまい、日付が1980年1月1日になってしまいました。再度時刻を合わせようとしたところ何度やってもGSMに変更することができなくなってしまいました。原因は不明です。
いろいろググってみましたが、root化せずに時刻を合わせる手段を見つけることができませんでした。手動時刻合わせ系のアプリをapkで落として使う、というやり方も、「Clock sync」はroot化されてないと変更できないとのメッセージ、「TimeZone Changer」は時差を調整するだけで時刻そのものは設定できず、「NTPc」に至ってはインストールさえできないという有様。
root化できれば時刻合わせが可能なのかもしれませんが、そこにはまだ手を出していません。時刻を合わせずに使おうとしたところ、Google Playに入れない問題以外に、「SDカードが勝手にアンマウントされる」という現象に悩まされ、MP3プレーヤとしての利用価値がゼロになってしまいました。こうなるとお手上げです。
今のところ復旧手段がないので当面は諦めです。残念ですが。
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【2013/6/2再追記】ダメ元で端末を初期化したところ、今度はローミングエリアを変更することができました。「エラーが発生しました」というメッセージが出るものの、日付と時刻の変更画面に入ると、自動設定のチェックボックスを外すことができました。
なぜ初期化するとできるようになったのかはわかりませんが、一応対策ということで書いておきます。
「初期化しないと設定できないとかふざけんなよ!」とお思いの方、
全く同感ですが、何度やっても手動設定ができない場合、root化してない端末だと今のところこれしかないかもしれません。
「初期化してもできなかった!どうしてくれるんじゃゴルァ!」という苦情はお受けできませんので自己責任でお願いします。
なお、初期化の方法はマニュアルの188ページに書いてあります。端末だけゴニョゴニョしたのでマニュアルがないという方は下記URLよりどうぞ。
MEDIAS IS11N(au)の取扱説明書 | nanapi [ナナピ]
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僕の場合、用途は
MP3プレーヤとして使うことが明確だったので、まず不要なプリインストールアプリを消しまくります。プリインアプリは消せないというのがお約束ですが、なんとIS11Nは全部は無理でしたが半分くらいは消せました。素晴らしい。Facebookなどの巨大なアプリが消せるというのはいいですね。
さて、まず先ほども書いた通り、このままではイヤホンが挿さらないので変換ケーブルを買ってきました。Bluetoothイヤホンならそんなことしなくていいのですが、充電するのが面倒なので使っていません。種類はなんでもいいのですが、
こちらのブログで紹介されてたコネクタを使うことにしました。近くのキャンドゥには置いてませんでしたが、上記ブログの記事のとおりSeriaに行ったらありました。
他には
microUSBに直接挿すイヤホンなんかもあるみたいですね。
ただ、どの手段をとるにしても、音質は値段相応になってしまうと思います。音にこだわる人は(そんな人はそもそもスマホで音楽再生なんかしないでしょうが)良いBluetoothヘッドホンを買うのが吉です。
そして、肝心のMP3再生アプリです。Android標準のアプリではフォルダ単位の再生ができないので、僕は下のアプリを使っています。
その名のとおり、フォルダ単位のファイル管理が可能です。日本語に対応していますし、機能的にもこれで十分なので、とても満足しています。
そして、バッテリーの持ちですが、まだ買ったばかりということもあるでしょうが、1時間半ほど連続で音楽再生してもバッテリが90%以上残っているというのは素晴らしいです。通信が一切発生しない(当たり前ですが)ので電池を食わないんでしょうね。
上記3機種ではぶっちぎりに待ち受け時間が短いこの機種でこれだけ持つなら、他の2機種ならいったいどれだけ持つのか凄く気になります。
あとは動画再生ですかね。どっかで動画再生能力が酷いという書き込みを見ましたが、RockPlayer Liteで720x480のmpeg4ファイルを再生してもコマ落ちなどは特に気になりませんでした。1280x720とかだときついのかもしれませんが、僕の持っている動画ファイルはほとんど720x480が最高なのでこれも問題ないです。
最後にガラケー機能については、ワンセグは問題なく見られます。電波を捉えやすい/にくいの端末差はあるのかもしれませんが、まあテレビなんてしょっちゅう見るものでもないのでどうでもいいです。
おサイフケータイ機能は使っていませんが、
価格.comの掲示板によるとwifi運用でも問題なく使えるようです。理屈では3G通信は発生しないはずなのでSIM無しでも使えるはずですね。
使ってみての問題点
とまあ、格安で高機能プレーヤーが買えると言っても、本来がスマホなのでいいことづくめではありません。少し使ってみて問題点もいくつか感じていますので、それも書いておきます。
・やっぱりイヤホンジャックがないとかっこ悪い
この機種はmicroUSBのコネクタにカバーがついているので、それを外して変換アダプタを挿さねばならず、かっこ悪いしコネクタ部分が不安定でしかたありません。どうせ何かあってもauの保証が効くわけではなし、使い潰すつもりなので、もうカバーを破壊してしまおうかと思っています。
このかっこ悪さは致命的かも。
・充電しながらイヤホンが使えない
microUSB端子が充電とイヤホン端子を兼ねているので、同時に使えません。普通なら充電しながらイヤホンで聴くシーンはあまりないと思いますが、車の中で充電しながらFMトランスミッターでラジオに飛ばすという使い方ができません。僕はときどきこれをやるので、ちょっと困ります。まあ、上述のとおり電池がすごく持つので、よほど長距離を運転しない限り大丈夫だと思いますが。
・いったん再生を止めてスリープに入ると、再開後はイヤホンが挿さっていても本体から音が出ることが(まれに)あった
何度か発生しました。油断していると電車の中で大音量で音楽がかかってしまったりして悲惨なことになります。再現確率が低いので原因究明もできません。困った・・・。
スマホとして使うならばイヤホンが挿しっぱなしということはまずありえないので実質的には問題にならない仕様なのでしょうが、MP3プレーヤとして使うならやっかいな問題です。Bluetoothイヤホンなら大丈夫かなあ。
・SIMカードがないのでアップデートができない
当然ですが、重大なバグがあっても直りません。IS11Nの場合、アップデートをしないとMicroSDXCカード(64GB以上のカード)を挿すとデータを破壊してしまうという問題があります。僕は32GBでとりあえず足りているので実害はないですが、64GBのメモリカードを使いたい人はauのSIMを挿してアップデートしないといけません。ちなみにauは端末ごとにSIMカードが紐付け(ICカードロック)されているので、docomoやSoftbankのように挿しかえればそのまま動作するというわけではなく、一度auショップに持ち込んでロックを外してもらわないといけないので要注意です。
・カメラの画質が酷い
今使っているスマホはXperia arcなんですが、それと比べると画質が酷すぎて使い物になりません。この機種が特にダメなのか、Xperiaのカメラが高性能なのか、他の機種を使ったことがないのでわかりませんが、それにしてもひどいです。
まあしかし、5000円という怪しげなMP3プレーヤ並みの価格で高機能ガジェットが買えることを考えると、これくらいのデメリットは我慢できます。とにかくMP3再生機がほしいという方はこの方法も選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
【お約束の断り書き】この記事内容はあくまで私個人が調べて書いたものであり、正しいことを保証するものではありません。この記事を参考にして万が一問題が起こっても一切責任は負えませんので悪しからず。