2015/11/1 - 櫻井有紀@渋谷duo

 こんばんわ。中の人です。


 櫻井有紀(YUKI)の独唱ファイナルに行ってきました。とはいっても独唱に行くのはこれが初めてですし、riceですら最後に見たのは2003年のイベントで、ワンマンに限ると2001年(つまり結成当時)まで遡るという、ずっと追いかけていた人にとっては都合のいい時だけ来やがってクソが!なニワカ状態でした。なんでそんな状態で行ったかと言うと、ほぼ間違いなくご想像のとおりですが、Raphaelを演るという話だったからです。
 でもYUKIもMCで「3年ぶりの人もいるよね?もしかしたら15年ぶりの人もいるんじゃないかな?」と、そういう人がある程度いることは認識していたようなので、想定の範囲内の客だと思います。


 ライブはriceとRaphaelの楽曲を織り交ぜながらということでほぼ半々の選曲でしたが、Raphaelはメドレーがあったので曲数だけ数えるとRaphaelのほうがちょっと多かったです。
 そんなシャッフル状態でしたが、全編このアコースティックアレンジでしかもYUKIが歌っていると、それほど違和感がなく通して聴くことができたと思います。


 アレンジは、基本ピアノ+ボーカルのスタイルで曲によってはストリングスカルテットを加えるというもので、ストリングスは凄く良かったです。この編成での「秋風の狂詩曲」は、もともとストリングスが重要な曲でしたが、それがさらに強調されていて秀逸でした。YUKIは「華月が聞いたら怒るかも」と言っていましたが、この曲のアレンジは僕的には原曲を超えたかもしれません。今日のライブではこの曲がベストでした。ぜひ音源化してほしいです。


 さて、YUKIは「打たれ弱いから良かったとこだけ伝えて」と言っていましたので、悪いほうに気になったことはTwitterとかに書くのはやめて(元々Twitterには感想は何も書いてませんが)ここにだけ書いておきます。
 まあ昨日の客で比較的冷静に聴いていた人は思ったかもしれませんが、やはりネックはYUKIのピアノですね。
 もちろん2年前に始めたばかりで、練習時間もろくにとれないという状態の中であれだけ弾けるようになったのは凄いと思いますし、どうしてもピアノ弾き語りをしたかったという本人の想いを聞けば、YUKIその人のファンという立場であれば、それに対して悪く言うのはいかがなものかという気はします。
 しかし演者に対する客という立場ならば、冷たいことを言うようですが、ちゃんとできない理由をいろいろ挙げられたところで、はっきり言って関係ないことです。
 アイドルの「がんばって楽器も演奏しました!テヘッ☆」的な余興ならネタとしてありですが、これはネタではないですからね。

 どんなに素晴らしい曲でも、演奏が不安定だと聴いていてハラハラしてしまい、曲に入り込むことができません。下手さを爆音でごまかす典型的な売れてないヴィジュアル系だったらそれでも勢いだけでなんとか格好はつくかもしれませんが、ピアノでしっとりと聴かせたいのにそのピアノが危なっかしいのではどうにもなりません。
 しかも、YUKIのボーカルはまず他にはない素晴らしい声なので、その程度のピアノでは完全に歌に負けてしまいます。負けるだけならまだしも、メインは超美味いのにみそ汁がクッソまずい定食のようなもので、せっかくのメイン(歌)を殺してしまってるような気がしました。これで歌も下手だったら苦笑いで済むところかもしれませんが、歌が上手いだけにピアノが足を引っ張ってしまいます。これだったらいっそアカペラのほうが聴けるんじゃないかと思うくらいでした。


 でもまあ、ピアノが気になったのは序盤のRaphaelメドレーあたりだけで、そのあともYUKIがピアノを弾く曲がありましたがそれはそこまで気になりませんでした。たぶんピアニストの人ががっちり演奏を支えていたので、YUKIのピアノが多少おかしくなってもフォローできたんだと思います。ピアノ2台って音に厚みがあっていいですよね。


 それからRaphaelの楽曲について、もともとバラード系の曲はいいとして、激しいほうの曲では「症状3.XXX」と「evergreen」(メドレー内も含めれば「症状1.潔癖症」も)が演奏されました。ロック楽曲のアコースティックアレンジってなかなか難しいと思うんですが、今回も、evergreenはとても素敵だったんですが症状3は正直微妙でした。
 あの曲もメロディはしっかりしているのでそこまでおかしくはならないはずなんですが、ピアノが妙に低いところばかり弾いていたんですよね。もうちょっと旋律を奏でてもよかったんじゃないでしょうか。何というか、原曲にはもっときれいなギターのメロディとかシンセの音もあったはずなのに、なぜかリフだけを抜き出しちゃったという感じでしょうか。専門的なことは分かりませんが、素人的に聴いてそういう印象を受けました。


 あ、原曲がロックな曲はもう1曲ありましたね。ラストの「夢より素敵な」です。ビートがないからと手拍子を要求し、「すべてをさらけ出せ!・・・なんちって(笑)」という小笑いも挟みつつも、ストリングスも交えた「夢より素敵な」は実に壮大でした。まあ「手拍子をし続けなければいけない」というのはちょっと不完全燃焼でしたが、これはこれでありですね。


 そしてライブの最後。YUKITOとHIRO(と華月のギター)を呼び込んで、2016年のRaphael全国ツアーの開催を発表をして終了・・・となるはずがそこで終わらなかったのがさすがです。
 全員がハケたあと、eternal wishとともに最新のアー写とツアースケジュールが映し出される段取りがうまくいかなかったようで、映像が出ず真っ暗な画面にeternal wishがただ流れたうえ、曲が終わるとメディアプレーヤーの操作パネル的なものが突然出てしまうという大ポカに失笑が巻き起こり、YUKIが謝りながら袖から飛び出してくるというおまけがついてきました。
 仕切り直してやり直した映像も自動サイズ調整が何度も発動してしまっているようなガタガタの映像で、先に3人でツアー開催を発表したときにはあちこちで号泣してしゃがみこむ人が続出した感動的なラストを全部帳消しにする超微妙なエンディングでした。これもこれでありですね。


 ツアーの詳細は、別記事にできるだけのネタ量がありそうなので、別に書きたいと思います。記事の水増しですみません!テヘッ☆


 本日のセットリストはこちらです。