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再訂:2012-3-8 全訂:2004-7-15 作成:2003-12-27
ロックの殿堂、日本武道館。ここでは数々のアーティストのライブが行われる。超人気アーティストのライブともなればチケットは数万円〜数十万円にもはねあがる一方、無謀な公演を行えばネットオークションでは数百円で投げ売りされ、ダフ屋は余ったチケットなど買い取ってくれなくなる。
それでもやはり日本有数のライブ会場であり、ここを目指すアーティストは数知れない。そんな武道館でライブを観ることになった方へ、観客から見た武道館を、ライブを観るという視点から案内してみたい。
武道館の最寄り駅は九段下駅である。九段下駅を通る路線は東京メトロ東西線、半蔵門線、都営地下鉄新宿線の3本。JRは通っていない。主な駅からのアクセスはそれぞれ下記の通りである。
新宿駅 → 都営新宿線で4駅。所要時間8分。乗換無し。
池袋駅 → 東京メトロ有楽町線に乗り飯田橋駅で東西線に乗換、次の駅。飯田橋駅内の乗換はホームが遠いため、時間が掛かることに注意。所要時間は乗車時間は12分だが、乗換を考慮すると20分はみておきたい。
渋谷駅 → 東京メトロ半蔵門線で5駅。所要時間11分。乗換無し。
品川駅 → 西から遠征してくる場合はここが乗り換えポイント。JR山手線外回りで渋谷まで5駅、渋谷で地下鉄に乗り換える。渋谷までは所要時間11分。
上野駅 → 北から遠征してくる場合はここが乗り換えポイント。東京メトロ銀座線に乗り、三越前または日本橋でそれぞれ半蔵門線または東西線に乗り換える。どちらも所要時間は乗車時間のみで14分程度。
なお、交通費節約などの目的でJRのみを利用したいならば飯田橋駅か市ヶ谷駅が良い。15分〜20分ほど歩けるなら、地下鉄の初乗り料金が節約できる。
どの方法を使うにしても、乗り換えは事前に確認しておくほうがよいだろう。
九段下駅についたら、まず地上への出口を探さなくてはならない。武道館方面は2番出口が最も近い。混んでいて出にくそうだったら反対側の4番出口でも良い。これ以外から出ると横断歩道を渡らなくてはならなくなる。ただし、買い物をしたい場合は、2番出口の正反対側にある5番出口から出て目の前のコンビニを利用するのがいいだろう。
2番又は4番出口から出れば人の流れがあるのでそれについていけば良い。爆風スランプの名曲「大きな玉ねぎの下で」に歌われているように『九段下の駅を降りて坂道を』上っていくことになる。4番出口から出ると目の前が交番なので、どうしてもわからなければ聞いてもよいが、会場は目の前なのであまり意味はないと思われる。
普通ならば武道館に来るときに東京駅を使うことはあまりないが、遠征等で新幹線利用時の場合で急ぐときなどは東京駅を使うことになるだろう。
その場合、東京駅は武道館からは比較的近いので、タクシーという選択肢もあることは覚えておくとよいだろう。料金は1,000円〜1,500円程度、混んでいたとしても2,000円もあれば足りる。所要時間は10〜15分。地下鉄より時間がかかるように見えるが、駅まで歩く距離が省略できるため、結果的には早く着ける。
車で行く場合は駐車場が武道館敷地内にある。ただし、入り口は田安門とは逆の竹橋方面になるので注意して欲しい。また、終演後は30分で駐車場が閉鎖されるので、出る時は早めの行動が必要となる。駐車場料金は終演までで500円(開く時間は不明)と、破格の安さである。満車で入れないかも、というリスクはあるが、選択肢に入れておいてもよいだろう。また、北の丸公園の敷地内に車で入るには、下の地図の「車出入口」からしか入れない。それ以外の道は階段があったり車止めがあったりして車は通れないので注意が必要だ。
なお、武道館付近の首都高事情は複雑なので注意が必要である。武道館に一番近い出口は「北の丸出口」だが、ここは竹橋ジャンクション方面から来る場合にしか出られないし、またここは出口のみなので、帰りは近くの「代官町」か「一ツ橋」から高速に乗らなければならない。ナビに従えばよいわけではあるが、方向によっては来た時と違う道を指示されることになるので、あらかじめ承知しておこう。
駅から出て人の流れに乗っていくと、すぐに武道館に到着する。
2つある田安門をくぐればすぐに武道館である。
なお、入り口〜田安門の下にダフ屋がいなければダフ屋は出ていないということである。ダフ屋を狙っていた方は諦めよう。
ここで注意してほしいのは、アリーナ・1階・2階で入り口が違うということである。上の図の西口正面という入り口は、通常はアリーナ席・1階席の入り口である。2階席・立見席はさらに45度回った先の南西階段から入ることになる。なお、公演によっては1階席入り口がさらに45度先の南口に設けられることがあるので、余裕を持って会場に着きたい。
また、ツアーグッズなどの販売は外で行われるため、チケットが無くても買うことが出来る。ほとんどの場合地図に記載した場所で販売されている。
やはりライブで最も気になるのは座席。見やすいのか見にくいのか、ステージから近いのか遠いのか・・・。多くの人が事前に最も気になる事の一つであることは間違いない。この文章もここがメインである。席ごとに詳しく書いていくので、自分の席がどんな席なのかあらかじめ知っておいて双眼鏡や座布団(!)などの準備を怠りなくしていって欲しい。
なお、特にアリーナの座席配置は、一般的には当日まで確実なことはわからない。興行元に問い合わせれば座席を教えてもらえることがあるが、「座席についてはお答えできません」と断られることも多い。以下の文章中で「興行元に問い合わせて欲しい」と書いてあっても、問い合わせれば必ず答えてもらえるというわけではないのでそこは了承して欲しい。できるだけ全てのパターンに対応できるよう説明していくが、分からない場合は(特にアリーナ席は特殊な配置をすることがある)いくつかのパターンを組み合わせるなどして想像してほしい。
以前はぴあで全体の画像が一枚絵で見られたのだが、今はFLASHになってしまっているので作成してみた。ただしアリーナ席はもっとも一般的な例にすぎないので、以下の解説とあわせて確認してほしい。
また、実際に座席からステージがどのように見えるかがイメージできるページも用意したので、あわせて利用いただければと思う。
さて、武道館の席は大きく分けてアリーナ・1階・2階の3種類であり、1階と2階がスタンド席になる。ただ、この座席表を見ると1階席は2階席よりもステージに近いと勘違いしてしまうかもしれないが、そんなことはない。ステージからの距離はほぼ同じである。言葉で言うとわかりにくいが、下の写真を見れば一目瞭然である。
ご覧のように、ステージからの距離はほとんど変わらない。あくまで座席表は見やすくしてあるだけなのだ。だから、1階席だから2階席よりステージに近い!と、この座席表だけをみて喜ぶのはちょっと早まりすぎである。ただ、1階席のほうが角度がないぶんだけステージに近いような気になれることは事実である。
なお、武道館はステージが通常北側に設置されるため、北東・北・北西スタンドは普通は開放されない。開放する場合、あとでも述べるが、バックステージ席などの名称になり定価もちょっと安く設定されることが多い。通常は東・南東・南・南西・西スタンドのみの開放となる。ただし、客が少なかったりすると東と西は一部しか開放しなかったり、全く開放しなかったりすることもある。客席のほとんどが黒幕で覆われた武道館はなかなか寂しいものがある。
なお、この会場に限ったことではないが、必ずしもアリーナ席ならスタンド席よりも良いというわけではない。人によってはスタンド席の方が嬉しい場合もある。それぞれの場所にはそれぞれに合った楽しみ方があるので、スタンドだからと言って即悪い席と決めつけず、よく考えてみてはどうだろうか。
席種ごとの解説は非常に長くなるので、席ごとにページを分割している。自分の席のところだけ知りたいという方は、そのページだけ確認していただければと思う。
以下、各階ごとの解説は分量が多いため、それぞれリンク先をご参照いただきたい。
周辺のコンビニは何店かあるが、九段下駅から来る場合の最寄は、ロイヤルホストがある建物に入っているセブンイレブンである。もう1店近いところを挙げるとすると、九段下駅からだと武道館の前を通り過ぎた少し先にファミリーマートがある。武道館から一番近いのはこちらのコンビニである。市ヶ谷駅から歩いてくる場合はここが最後のコンビニになる。
九段下駅の交差点周辺には、コンビニ以外にもマクドナルドやコーヒーショップ、居酒屋など一通り揃っているので、早めに着いてしまった場合や終演後に食事する場合なども十分対応できる。なお、駅周辺の店を使う場合は、地下鉄の出口は武道館と逆側の5番出口から出た方が近い。
飯田橋からゆっくり歩いてくる場合はもう特に困らないだろう。地図にはジョナサンしか載せてないが、道の両側に吉野家、松屋、なか卯、マクドナルド、モスバーガー、ドラッグストア、弁当屋、ファミレス、ラーメン屋、居酒屋と一通りなんでも揃っている。終演後は飯田橋までまったり歩いて、その辺で食事をするのもいいだろう。
市ヶ谷から歩く場合はちょっと店が少ない。靖国神社が道の片側を占めているせいもあるかもしれない。まあコンビニや普通の飲食店は数店舗あるので、適当に買い物はできるだろう。
周辺の店舗については、下のブログ記事などもあわせてご覧いただければと思う。
飲食店を調べる → ぐるなび ホットペッパー 食べログで九段下駅周辺を調べる
近隣だけではなく、武道館の敷地内にも売店や自販機は設置されている。場所は人の流れに乗っていけばすぐ見つかる場所だが、一応説明すると2階席入り口となる南西階段の下に1軒、そこから道路を渡った目の前にもう1軒ある。商品は決して安くはないので、ドリンク程度なら自販機で買う方が種類が多くて良いかも知れない。
1階席の場合は、南スタンド方向の通路に売店があるが観光地価格であり、また開演後間もなく閉まってしまう。飲み物ならば通路に自販機が設置されているのでそこで買ったほうがいいだろう。この自販機は基本的に定価販売なのでありがたい。
アリーナ席には売店がないが、アリーナ席の人は1階には自由に上がれるので1階の売店・自販機を使えばよい。
2階席も売店と自販機があるが、やはり売店はかなり早い時間に閉まってしまうので注意が必要である。
2.で説明している田安門に入る直前、向かって右手に公衆トイレがある。ここはそれほど混雑していない。北の丸公園内にも、駐車場の中に公衆トイレがあるが、ここは目に付くところでもあるのでいつも混雑している。開場時間前後は長蛇の列になっていることが多い。
また、駅が近いので九段下駅のトイレを使うという手もあるが、こちらもイベントのある日は先に用を足しておこうと考える人で混雑していることが多い。
館内の男子トイレを一部女子トイレとして使うことが多いが、それでも足りない。女子トイレは長蛇の列になることがほとんど。
開演前やアンコールの時にトイレに行くのはかなり難しいので、開演中に行くか、あるいは入場前に外のトイレで済ませておくべき。
会場にはコインロッカーがないので、必要であれば九段下駅のロッカーを使うしかない。
駅のコインロッカーについてはコインロッカーサーチが詳しいので参考にしていただきたい。
会場外で行われるので、チケットがなくても購入可能。最初に掲載した地図に「グッズ売場」と書いてある場所で行われるのが一般的。人気アーティストだと、開場時間の数時間前から行列ができ、人気グッズはあっという間に売り切れてしまうことも多い。
可能。食べ物・飲み物ともに客席に持ち込める。
電波は問題なく入る。
ロビーには各所に喫煙所が設けられているが、タバコ自販機は1階東スタンドを出たところにしかない。 したがってアリーナの人は1階に上がらなくては買うことが出来ないし、2階の人は中でタバコを買うことが出来ない。
車椅子の場合、チケットの席にかかわらず1階南スタンドJ列の位置で見ることになる。正面ではあるが、先程も述べた通り1階後方からの眺めは2階席のせいで良いとはいえない。残念だが諦めるしかない。
具体的には、1階南スタンドJ列のミキサールームの両側の席を取り外してそこに案内される。座席表を参照してもらえば分かると思うが、右側なら10〜12番あたり、左側なら37〜39番あたりになる。なお、座席はいくらでも取り外せるので、必要に応じて取り外す箇所は大きくも小さくもなる。上の写真は37〜39番側から撮ったものだが、10〜12番側もステージ正面なのでそれほど眺めが変わるわけではない。
車椅子の場合は武道館に限らずどの会場にも言えることだが、チケットを手に入れてから主催者に車椅子の旨を伝えて席を用意しておいてもらう必要がある。当日になって突然車椅子で行くのは混乱を招くので、車椅子席が必要だとわかった時点で早めに連絡をしたほうがよいだろう。
日本武道館のキャパは、最後に書いたように公式には14,000人余りとなっているが、これは北スタンドまで全開放した場合のキャパであり、現実には動員数はもっと少ないはずである。そこで現実的なキャパを計算してみる。なお、前提は次のとおりであり、いつもこの通りではない(例えば東・西スタンドは半分くらいしか開放しないことはよくある)。
【前提】:
・アリーナ:当サイトで作成した全体図の席配置
・スタンド:南・南東・南西・東・西スタンドをフル開放、立見あり
アリーナ:A・Jブロックが88席、B・Iブロックが96席、U・Zブロックが73席、それ以外が108席。すなわち (88x2)+(96x2)+(73x2)+(108x20)=2,674 席である。なお、実際にはPA卓があるのでもう少し減ると思われる。
1階席:南スタンドが320席、それ以外が414席。すなわち 320+(414*4)=1,976 席である。
2階席:東・西スタンドが956席、それ以外が994席。すなわち (956*2)+(994*3)=4,894 席である。
立見席:全スタンド60席。すなわち60*5=300 席である。
以上を合計すると、2,674+1,976+4,894+300=9,844 席となる。つまり東と西までびっしり埋まっても1万人に達しないということがわかる。実際は埋まっているように見えても他のアリーナ会場のほうがたくさん動員できるのだ。もちろん北東・北西を開放したり、アリーナをスタンディングにすれば1万人以上動員できることになる。あくまで参考と考えてほしい。
実際に会場にいて動員がどれくらいかを目算で数えるとしたら、だいたい「アリーナ埋まって2,500人+1階が一方位につき400人+2階が一方位につき1,000人」と見れば、ざっくりではあるがそう大きくは外れないだろう。
例えば「アリーナ、1階が東・西・南東・南西・南、2階が南西・南東・南」まで使われていたら、2500+400×5+1000×3=7500人−α(空席分)くらいだと考えてそんなに間違いはない。
ライブが終わったら・・・もちろん早く会場を出ないと、混んでしまって出口で詰まることになってしまう。まあライブの余韻を味わいたいので席ですこしゆっくりしたいという気持ちは分かるが、係員にせき立てられるし、あまり良いことはない。となれば、なるべく人混みを避けて退場したいところである。もちろん一番良いのは終了間際になったら席を立ち、出口付近で最後まで観てからさっさと出ることだろうが、これではライブをしっかり観た気がしないという方も多いだろうから、一応それぞれ出方を解説する。
出口は下手後方に一つまたは二つだけとなる。そこに観客が殺到することになるため、少し早めの行動を心がけたい。
客席出口の扉自体は全て開放されると思うが、実際に武道館の外に出られる出口は西スタンド後ろの扉の目の前にある。したがって自分の席のそばの扉から出てしまうと、武道館の狭い通路では出口付近で詰まるのは明白である。客席内を西スタンドのあたりまで移動してから通路に出たい。
もし西スタンド後ろの扉が閉め切られている場合は、南西スタンド後ろの扉が出口に最も近い扉になる。
状況は1階席と同じだが、会場からの出口は南西スタンドの正面になる。なので、客席内を南西まで移動してから通路に出ると退場しやすい。
ただし、北東・北西スタンドを開放している場合、北西階段も退場の場合のみ解放することがある。
そうなれば南西階段より駅に近い出口から出られるため、かなり楽になる。いつもあるわけではないが、
もし解放されていればこちらを使いたい。
会場から出たら駅へ向かうことになるが、武道館から九段下へは一本道なので、非常に混雑する。混んでいるなと思ったら、歩道橋を渡って道の反対側の地下鉄入り口を利用したほうが混雑回避にもよいと思われる。
また、武道館の前にタクシーがたくさん客待ちをしているが、歩道の柵をのりこえてタクシーをつかまえるのは非常に危険であるし、観客誘導の係員にも注意される。タクシーに乗る際は、武道館を出て左側に少し歩いて人が少なくなってきたあたりでタクシーを止めるようにすべきである。
どうだろう。特に初めて武道館に行くという方、楽しめそうだろうか。あらかじめ会場について予備知識を持っていれば、よけいなトラブルなどに巻き込まれることも少なくなるだろう。ライブ本番でとまどうことがないよう準備を怠りなく行い、是非ライブ本編を楽しんできて欲しい。
客席数 | 14,201人 (アリーナ: 2,762席、1階: 3,199席、2階: 7,760席、立見席: 480人) |
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所在地 | 東京都千代田区北の丸公園2−3 |
電話 | 03(3216)5100 |
オフィシャルサイト | http://www.nipponbudokan.or.jp/ |