更新:2012/06/04
正式名称は「国立霞ヶ丘陸上競技場」。サッカーの聖地であり、基本的にコンサートが行われることはほとんどない。そもそもキャパ的にも、ここで公演できるクラスのミュージシャンは数少ない。
例外的に、毎年夏に行われる神宮外苑花火大会ではイベントの一部としてここでコンサートが行われるほか、2005年からは毎年1組のみという条件でコンサートも行われるようになった。
最寄り駅は都営大江戸線国立競技場前駅。国立競技場前駅から出ると千駄ヶ谷門の目の前なので、迷うことはないだろう。JR千駄ヶ谷駅からでも、通常時なら徒歩3分程度である。通常時なら、と書いたのは、イベントのときはそう広くない歩道を何万人もが通ることになるので、どれほどかかるか想像できないためである。
地図の必要性もあまりないだろうが、一応下の通り。
そもそも店が多い場所ではないが、コンサートの際は5万人以上が集まるわけで、周辺の店は大混雑となる。現実的に買い物は無理と考えるべきで、ドリンク等の必需品は家の近くか乗換駅などで買ってくるべきだろう。
JR千駄ヶ谷駅から来れば駅付近にコンビニ程度ならあるが、地下鉄大江戸線を使った場合は駅の出口のすぐ横が会場入り口なので、途中の店というものがそもそもない。
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この会場は、前述の通りコンサートがほとんど行われない。そのため、他のスタジアム級の会場のように、ステージの場所についてデフォルト配置を推定するほど多くの事例がない。
過去の事例を列挙してみると、2005年から2012年までの8年分の公演のうち、会場を縦長に使用したのは2回(SMAP)、横長に使用したのは6回(ドリカム1回・嵐4回・ラルク1回)ある。ここから、どちらかといえば横長での使用のほうが一般的だと考えられるので、以下では横長での開催を前提に説明するが、一応過去事例もあわせて紹介する。
とはいえ、やはりここでのライブに行く場合は、実際にオークションなどで出回っているスタンド席の場所からステージ位置を推測する作業が必要だろう。
開催年 | ミュージシャン |
---|---|
2005-2006 | SMAP |
2007 | DREAMS COME TRUE |
2008-2011 | 嵐 |
2012 | L'Arc〜en〜Ciel |
なお、神宮外苑花火大会に伴うコンサートは、当然ながら花火が見える席しか開放されない上、毎年微妙に配置が違うので以下の解説は使えない。花火大会の公式サイトに座席表が出ることもあるので、そちらを確認していただきたい。
前後にはA〜Fブロックに分けられるのが通常。縦の長さは事例から考えてもあまりぶれず、ほぼ間違いなくFまであると考えて間違いないだろう。
一方、横のブロック分けは公演によって毎回微妙に異なる。本サイトでは最大26ブロックに分割されることを想定した解説としているが、25ブロックや28ブロックに分けられた例もある。おおむねその範囲内と考え、12〜16ブロックあたりが中心だと考えていてよいだろう。
他のスタジアム会場と同様、アリーナ席には段差がないため、後方ではステージは全く見えない。Fまであるのは東京ドームと同じなので、それから考えても、Dより後ろなら、花道が近くにない限りスタンドのほうがましだと思われる。
アリーナ席の注意事項として、芝の上にシートや板を敷いて座席を作っているので、芝の保護のために水以外の飲食は厳禁である。マナーが悪いとライヴで使えなくなってしまうことも十分ありうるので、気をつけてほしい。
会場を横に使う場合、ステージはメインスタンド側に作られるのが一般的である。
なお、スタンドの呼称だが、この会場は、メインスタンド・バックスタンドという呼び名はあるが、他の、たとえば日産スタジアムや味の素スタジアムと違って左右のスタンド(サイドスタンド)には正式な呼称がなく、スタンド席のざっくりとした方角を示す決まった書き方がない。
今までの例では、「北/南サイドスタンド ○○(数字)ゲート」のようにサイドスタンドには方角を付けて表記する場合と、「○○(青山/代々木/千駄ヶ谷)門 ○○ゲート」のように門の名前が記載される場合があるようだ。
前者の場合は単純に方角を記載しているだけだが、電光掲示板がある側が北、その対面が南となる。一方後者の場合は、自分のスタンドに最寄りの門の名前が書かれていることになる。青山門はバックスタンド、千駄ヶ谷門は北サイドスタンド、代々木門は南サイドスタンド側であることを示している。
いずれの場合でも、ゲート番号は正規の表記なので必ず書かれており、また自分の座席ブロックを示す重要な情報である。なので、この会場でスタンド席を入手した場合、さいたまスーパーアリーナなどと同様、「ゲート番号」で大まかな位置を把握する必要がある。
ゲート番号とスタンド名、門の名前の大まかな位置関係は下の図の通りである。
次に具体的な席の位置だが、ゲート番号がそのまま座席ブロックを構成しており、その中で列番号・座席番号が振られている。また、バックスタンドの上半分(上図の31〜40の部分。「上段」と呼ばれる)以外はすべて通路を挟んで「前段」と「後段」に分かれており、それぞれがA列から列番号が振られている。
具体的に言うと、前段最後列の後ろが後段A列となり、さらにバックスタンドでは後段最後列の後ろが上段のA列となる。
例えばバックスタンドのど真ん中には20ゲートがあり、その上には36ゲートがある。この場合、最前列は20ゲート前段A列であり、最後列はQ列となる。その後ろが20ゲート後段A列で、最後列はU列。さらにその後ろに36ゲートA列があり、最後列はZM列(Z列のあとさらにZA、ZB・・・と続く)である。
また、席番号は反時計回りに1番から振られるので、たとえば20ゲート前段A列は36番まで存在するが、そのさらに右隣は21ゲート前段A列1番となる。
公式サイトではブロック分けを意識した座席表を見せてくれるが、ブロック単位で拡大されるため全体の位置関係が分からず、一方ぴあやe+の座席表はブロックの切れ方がよくわからないので、全体を俯瞰した一枚絵を以下に作成した。
なお、ステージ位置やアリーナ席の番号の振り方は、他のスタジアムコンサートでよくあるパターンを参考に、「2009年の嵐公演」をベースに作成しているが、あくまで参考として見ていただきたい。
注意事項として、この会場にはメインスタンド側にしか屋根がない。メインスタンド側にはステージが作られることが多いので、そうなると客席には屋根がまったくない状態となる。雨が降りそうな場合はもちろん、そうでない場合でも夏場は夕立などの可能性もあるので、確実に快晴という予報でもない限り雨ガッパは用意しておいたほうがいいだろう。当然ながら客席での傘の使用は禁止である。
また、スタンド席の座席には全て背もたれがない。ここで観客が座りっぱなしになるような公演が行われることはまずないと思うので背もたれの有無はあまり関係ないだろうが、一応知っておいてもいいだろう。
以下では、スタンド別に大まかな眺めなどを解説する。
ステージ正面の席になる。上の写真でオレンジ色になっている部分がバックスタンドだと思う。「思う」というあいまいな言い方で申し訳ないが、前述の通り左右の正式なスタンド名がないので、どこまでバックスタンドなのか、正確なところが分からないためである。仮にそうであったとすると、16入口から23入口までがバックスタンドに相当する。
また、バックスタンドの中央には、上の写真でもよく見ればなんとかわかるかもしれないが、柵があって座席が前と後ろに分断されている。この柵より後ろが「バックスタンド上段」と呼ばれる部分で、入口番号でいうと31から40にあたるところである。この柵は上段部分を囲むように作られており、柵のところどころに設置された扉を閉めると上段から出ることはできなくなる。そうなると、客席に入ってからは適当に空席を探して前のほうに行くことができないということになる。
また、バックスタンドと北/南サイドスタンドの間にも柵が設置されている。この柵の扉が閉まっていた場合、客席内ではスタンドの方角を超えて移動できないことになる。
上の写真はすべてほとんど同じ位置で列だけ後ろに下がったものである。もちろん後ろに下がれば距離も遠くなるが、角度も付くのでより遠く感じるかもしれない。ただ演出を含めた全体を見るには後方のほうが良いともいえる。
また、メインスタンドは方角で言うと西側になるため、背後には新宿のビル街が見える。バックスタンドの後方の列になると、ステージの向こうにビルが林立している風景を見ることができるが、これはこれでなかなか壮観である。
それから、バックステージがある場合(といっても、過去の公演事例全てバックステージが存在している)には、バックスタンド中央最前列はバックステージの目の前となる。国立競技場での公演はめったにできないことから、どのアーティストにとってもスペシャルなものになると思われるので、バックステージはたいてい作られると思ってよく、バックスタンド前方を確保すれば間近で見ることができるだろう(保証はもちろんできないが)。
正式な呼称ではないが、こう呼ばれることも多いので、便宜上北サイドスタンドと表記する。ステージの上手にあたる位置となる。北側には上方に電光掲示板があるため、その分席がすこし少ない。
また、客席には屋根がないと書いたが、ほんの少しだけだが電光掲示板の真下にも席がある。ここは電光掲示板が屋根になるため、横なぐりの暴風雨でもない限り雨に濡れることはない。
北サイドスタンドの対面であり、ステージの下手に位置する。こちらには電光掲示板などの建造物はなにもないので、席が減ることもないし、屋根もない。
以上の説明は2012年のL'Arc〜en〜Ciel公演をベースにしているが、2011年以前の公演事例も数が少ないこともありすべて調べたので、せっかくなので参考のために以下に載せておく。
SMAPの公演では、ステージが電光掲示板側に設置され、会場は縦長に使われた。2012年の時点では縦長に会場を使った唯一の例となっている。
ドリカムの公演では、メインスタンド側にステージが設置され、会場は横長に使われた。ブロックの切り方は不明。
嵐もドリカムと同じくメインスタンド側にステージが設置された。ただし、バックステージや花道の規模が非常に大きいため、むしろアリーナ全体にステージが張り巡らされておりその間にアリーナ席が並べられている、と言ったほうがよいかもしれない。
この会場の終演後の混雑は他の同等の会場の比ではない。なぜなら、駅に近い出口は千駄ヶ谷門となるが、ここは門を出た目の前が大通りで歩道が狭く、かつ地下鉄の出口が門のすぐ横にあるため、会場敷地の外でとんでもない詰まり方をするためである。
上の写真のとおり、会場出口と駅は隣接しているが、問題はそれをつなぐ歩道の狭さである。上の写真でも真ん中に植え込みがあるのが分かると思うが、ここがボトルネックになって人が詰まってしまうのである。
来る時にこの道を通っていればここがどれほど狭いか分かると思うが、この部分の幅は2〜3mしかないうえ、目の前の道は交通量が多いので道路にはみ出すということもできない。5万人がいっせいにここに向かって来たらどうなるか、火を見るより明らかである。
Googleストリートビューも貼っておくので、参考までにぐるぐる回してみてほしい。本当に普通の道だということがわかると同時に、ここを5万人が通過することを考えたら大変なことになると容易に想像できると思う。
ちなみにストリートビューでは国立競技場の中まで見られる。道路からは導線が引かれていないので気づかないかもしれないが、千駄ヶ谷門をクリックすると、まるでRPGの隠し通路のように会場内への導線が現れるので、これで中を見ておくのも面白いだろう。
以上のように、まともに最寄り駅から、すなわち地下鉄国立競技場駅かJR千駄ヶ谷駅から帰りたいなら、とにかく早く席を立つべきである。素早い帰宅を優先したい人は、最後の曲はあきらめるぐらいの覚悟が必要だろう。ほとんどの人がこのどちらかの駅を使うため、もたもたしていると駅に入場制限がかかり、帰宅難民状態になってしまう可能性すらある。
このとき注意したいのは、会場の出口でいうと28入口や29入口が一番千駄ヶ谷門に近いことになるが、主催者側が慣れていればこのあたりの出入口はいち早く封鎖されてしまうということである。ここを開けてしまうと、客席外の通路もそんなに広いわけではないので、通路で詰まってもっと遠い出入口から出た客が進めなくなってしまう可能性があるためである。
素早く帰るために出口に一番近い出入口から出るというのは大会場でスムーズに退場するためのテクニックだが、ここではそういう技は使えないことが多いので、急がば回れでちょっと離れた出入口を目指したほうがいいかもしれない。封鎖された出入口の渋滞に巻き込まれると、まともに出るより悲惨な目にあう可能性もある。
なので、体力が残っているならば、青山門から出て絵画館の前を抜けてJR信濃町駅まで歩くとか、代々木門から出て日本青年館、神宮球場の裏を抜けて地下鉄外苑前駅まで歩くとかしたほうが、駅の入場制限にもかからず、結果的にストレスなく帰れる可能性がある。検討してみてもよいだろう。(ただし神宮球場で野球をやっていたりすると、信濃町駅はそちらの客で混雑している可能性はある)
スタンドの中央を左右に走る通路(前段と後段を分ける通路)沿いにところどころに車椅子用のスペースが設置されている。
スペースはたくさん設置されているが、チケットで指定された本来の席の最寄りのスペースが使えるわけではなく、主催者が指定したスペースで観ることになるのでそこはご注意いただきたい。
客席数 | 50,339人 |
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所在地 | 東京都新宿区霞ヶ丘町10番2号 |
電話 | 03-3403-1151 |
オフィシャルサイト | http://naash.go.jp/kokuritu/ |