日産スタジアム(横浜国際総合競技場)

最終改訂:2012/09/07


 ワールドカップの時に作られた、サッカー終わったらどうすんだ的なムダな建造物の横浜版。もともとは「横浜国際総合競技場」という名称だったが、ネーミングライツ売却により、2005年3月以降は「日産スタジアム」となっている。
 キャパが7万もあるため、コンサートでここを使えるアーティストは数少ない。


1. アクセス

 JR、地下鉄の新横浜駅とJR横浜線の小机駅が最寄り。遠征してくる人は新幹線で新横浜駅から来られるし、地元の人は小机駅が使える。小机駅のほうが少し距離が短いので、近さだけを求めるならこちらがお勧めである。 しかし、小机駅から来ると店がまったくない。自販機はあるが、他は民家しかないので、買い物などをしたい人は新横浜のほうがいいだろう。

 小机駅からは北口を出てまっすぐいけば巨大なスタジアムが見えてくるので、迷うことはないだろう。

 会場はスタジアムだけあって非常に大きいので、周辺図も掲載しておく。

 会場への入場は全方位(ステージ裏になる南ゲートを除く)から可能なことが多いので、どこから来ても入りやすいだろう。小机駅側の西ゲートのほうが客の絶対数が少ないので、入りやすいかもしれない。

2. 買い物

 新横浜駅から来る場合は、オフィス街だけあって会場の周りにはコンビニがたくさんあり、買い物には困らないだろう。 駅前のビルにはファーストキッチンやマクドナルドなどのファストフードを始め、居酒屋や食事処などがけっこうたくさん入っているし、横アリの正面出入口から直進した道には居酒屋、ファミレスなども揃っている。

 また、2008年に新しくなった駅ビル(キュービックプラザ新横浜)にはレストランもたくさん入居しているので、食事に困ることはないと思われる。

 小机駅から来る場合は買い物はほぼ不可能である。露店が出ていることがあるが、コンビニのように品揃えが豊富なわけではない。こちらを使う場合は確実に家から買ってもってくる必要がある。

 飲食店を調べる → ぐるなび  ホットペッパー 食べログで新横浜駅周辺を調べる


3. 座席案内

 アリーナ、1階スタンド、2階スタンドの3種類である。
 スタンド席は方角ごとに名称がついており、会場を長方形とすると、長い辺がメインスタンドどバックスタンド、短い辺が北サイドスタンドと南サイドスタンドとなる。通常ならばステージは下の図のように南サイドスタンド側に設置される。


大まかなスタンド名など。

 実際には下のような感じになる。


 やむをえないことではあるが、ステージ上の人は後ろからでは豆粒にしか見えない。 よほど倍率の高い双眼鏡をもっているのでなければ、ビジョンを見ている方がよいだろう。

 また、野外会場になるので、アリーナ席やスタンド前方の席では雨が降ると濡れてしまう。 傘の使用は禁止なので、雨ガッパを持参する必要がある。雨の時に会場周辺で売られるカッパは500円もするので、 100円ショップであらかじめ買っておくべきだろう。これはこの会場に限ったことではなく、野外会場全てに言えることである。

 詳細な座席表も用意したが、特にアリーナ席は毎回微妙に異なるのであくまで参考程度ということでご了承いただきたい。

(1) アリーナ席

 ここのアリーナはスタジアムだけあってびっしり席で埋め尽くされる。 球場のように不自然な四角形ではないので、席がきれいに配置できるのだ。 そのため、後ろの方は当然見にくい。というか見えないと言ってもよいであろう。 おおよそ下のような配置になるので、Dより後ろだったら処分してスタンドを買った方がいいかもしれない。


アリーナ席の配置。

 縦方向は通常は9ブロックに分割される。一番後ろのブロックはIだったりJだったりするが、これはIが数字の1と間違えやすいので、イベンターによってはIをとばしてJにしているためである。
 横方向には17または18ブロックに分割されるのがほとんどであるようだ。会場の形が決まっている以上、ここからあまりにも変形したパターンは考えにくいので、おおよそ6〜11ブロックあたりならば中央だと考えて良いだろう。

 なお、ジャニーズなど、アリーナ後方にもサブステージやメンバーが来るためのトロッコなどが用意されている場合もあるので、この場合は後ろだからといって処分するのはちょっと早計かもしれない。

 席番号は各ブロック単位で通し番号となっており、端のほうできれいに長方形にできないブロックを除いて12席で折り返すのが通常のようである。つまり、1〜12番がそのブロックの最前列、13〜24番が2列目・・・となる。

(2) スタンド席

 最初に述べたようにスタンド席はメインスタンド、バックスタンド、北サイドスタンド、南サイドスタンドがあり、ステージは南サイドスタンド側に作られるのが一般的である。

 注意すべき点としては、まずバックスタンド席はステージの後ろというわけではないこと。一見、いわゆる「バックステージ席」と勘違いしてしまうので注意が必要である。これは、サッカーではメインスタンドの対面がバックスタンドという名称になるので、それがそのまま使われているだけである。ライブでは、メインスタンドがステージ向かって上手、バックスタンドが下手になる。

 さて、スタンド席チケットの場所の把握方法であるが、入口番号で大まかな位置をつかんだあと、詳細な座席番号を調べるのがよい。入口番号は「W11入口」のようにチケットに書かれているはずである。

 最初のアルファベットがスタンドの方角(W…メインスタンド、N…北サイドスタンド、E…バックスタンド、S…南サイドスタンド)を示し、数字の十の位が階(1…1階、2…2階)を、一の位がスタンド中のだいたいの位置を表している。また、一の位は席番号の百の位を基準にしている。たとえば、W11ならメインスタンド1階の1番〜100番台にあたるし、E24ならばバックスタンド2階の400番台ということになる。
 そして、入口番号(つまり座席番号と連動しているが)は反時計回りに数字が振られているということを知っていればいいだろう。細かい話はスタンド別に解説する。

 また、スタンドの座席は下のようなものである。スタジアムでは一般的に使われているプラスチック製の椅子になる。


スタンド席の座席

 スタンド席は2階は傾斜があるが、1階は傾斜が緩い。座って見たいなら2階スタンドを選んだ方が良いかもしれない。

 また、全方向に共通の話として、1階は18列目と19列目の間に通路が、2階は13列目と14列目の間に通路がある。通路と後ろの席の間には段差があるので、1階19列と2階14列は座ったままでもステージが見やすい。

(a) メインスタンド

 メインスタンドはステージ上手にあたる。サッカーの試合で使う記者席やVIP席があるため、その分一般客が入れるスペースは少ない。また、それらの席は1階後方にあるが、2階席がジャマにならないように2階席前方が削られており、その点でも座席が少し少ない。


メインスタンド1階。

メインスタンド2階。

 メインスタンドは席の番号が若いほどステージから遠く、番号が大きいほどステージ寄りとなる。入口番号でいうと、W11・W21がもっともステージから遠く、W16・W26がステージの真横(16,26まで開放されることはまずないが)となる。

 以下は、メインスタンドからのステージの見え方である。


W14入口、19列の前の通路からの眺め。

 写真だと割と近いように見えるが、花道の先端まで来ても実際は相当距離がある。他のもっと遠い席に比べれば相対的に近いというだけである。なお、W14の後ろ半分は記者席であり、そのための設備があるため、ライヴでは客席としては使われない。

 また、メインスタンドの1階席は他のスタンドと違い、最後列でも2階席はあまりじゃまにならない。下の写真の右上に少しだけ見えているのが2階席である。このあと説明するバックスタンドや北サイドスタンドに比べれば全然ましだといえよう。


W13入口最後列からの眺め。

 なお、メインスタンドはすべて2階がジャマにならないというわけではなく、後ろのほう、具体的にはW11入口とW12入口の中でもW11寄りの後方席は2階席が覆いかぶさってくる。

(b) バックスタンド

 バックスタンドはステージ下手になる。1階後方は2階席が覆いかぶさるようになり、視界に天井が入ってしまうのでジャマに感じるかもしれない。

 バックスタンドは席の番号が若いほどステージに近い。つまり、E11・E21がステージ真横、E16・E26がステージから最も遠いことになる。
 それから、バックスタンド全てに言えることだが、席が西向きなため、西日をもろに受けることになる。ライヴは普通夕方から夜にかけて行われるので、日が沈むまではかなりまぶしいだろう。


バックスタンド。

 以下は、バックスタンドからのステージの見え方である。


E14入口最後列からの眺め

E14入口、19列の前の通路からの眺め

 スタンド席のうち、後方は2階が完全に覆いかぶさってくる。最後列ともなると視界の上半分は天井となり、かなり見難い。一方で中央列あたりならその心配はまったくないが、雨が降ったら雨ガッパが必要になる。後方なら雨の心配はない。

 また、1階席と2階席では、ほぼ同じ席番号でも高さが違うのでステージの眺めが変わってくる。上はE14からの写真だが、2階席のほぼ同じ位置(E24)だと下のようになる。同じ位置の1階席よりは見やすく感じるかもしれない。上から見下ろすので、全体が良く見えるような印象はある。


E24入口、14列の前の通路からの眺め

 一方でステージに近くなっても花道が2階まで伸びているわけではないので、あまり近さは感じられない。演出が見にくいというデメリットのほうが大きいだろう。

 さらにステージに近づいていく(番号が若くなる)と下のような長めになる。ここまでくるとステージのほぼ真横のため、ステージとの距離は近いが演出は見難い。またやはり最後列は天井がジャマになる。


E12入口最後列からの眺め

E12入口、19列の前の通路からの眺め
(c) 北サイドスタンド

サイドスタンド。

 ステージの対面。ステージとの距離は一番遠く、たとえ最前列でもステージ上のアーティストは豆粒にしか見えない。一方、演出が見えないということは基本的にはなく、全て楽しむことができるだろう。
 また、アリーナ後方にサブステージがあれば、そこに来てくれた時には近くで見られることになる。
 サイドスタンドの中の席配置としては、席番号が若いほうがステージ下手となり、数字が増えるほど上手寄りとなる。座席番号で言うと、1階も2階もだいたい300番くらいがど真ん中である。


1階最後列からの眺め

1階19列の前の通路からの眺め

 上の写真のように、サブステージがあれば距離は近い。ただ、1階スタンド後方だと2階がジャマになるというのは他のスタンドと同じである。上で演出が見えないということは「基本的に」ないと書いたが、1階スタンド後方だけは見えない可能性がある。上の左側の写真のように、ステージの上半分が隠れてしまうため、高い位置の演出や花火などはまったく見えない。


N26入口、14列の前の通路からの眺め

 メインスタンドやバックスタンドと同様、2階席からだと眺めはいいが、ステージとの距離はどうしようもなく遠い。ステージ上手か下手かという選択もあまり意味はないだろう。

 あと、非常に細かい話であるが、北サイドスタンド1階の一番前にはガラスの壁がある。これはサッカーの試合の場合にゴール裏になるため、ボールから観客を守るための措置だと思われるが、コンサートの場合ジャマでしかない。


1階最前列の様子

 上の写真のように北サイドスタンドの前にはずっとガラス壁が設置されている。メインスタンド、バックスタンドにはこれはない。この席だとどう見えるかというと、下の写真のとおりである。


1階最前列から見たステージ

 写真中央に銀色の手すりがあるが、これより下はガラスになっている。これだと背が高い人は問題ないが、背が低いとガラス越しにしかステージが見えない。また、この壁のせいで音がこもってしまうという欠点もある(上が開いているのだから関係ないように思うかもしれないが、実際にこの席で立ったり座ったりして比べてみると全然違う)。
 高さ的には、「身長153cmの人がイスの位置で立つとちょうどステージが手すりに重なって見えない」というくらいの高さである。つまり、それ以下の身長だと強制的にガラス越しでライヴを観ることになってしまう。したがって、高いヒールのある靴を履いていくとかなら別だが、そうでなければ、最低155cmくらいはないと視界的にも音的にもかなり悲惨なことになる。
 2列目以降ならその心配はないので、1階北サイドスタンドに限っては、背が低いから1列目なら見やすいと考えてオークションなどで最前列を狙うのはおすすめできない。

(3) 会場を横向きに使用する場合

 原則はすでに述べた通り、南サイドスタンド側にステージが作られる。しかし、まれに会場を横に使い、メインスタンド側にステージが作られることもある。2005年7月に行われたゆずのライブではこの方式が使われた。


メインスタンド側にステージが作られた場合。

 この場合、西ゲートは完全にステージの裏側になってしまうため、ここから入ることは出来ない。小机駅から来た場合はスタジアムをぐるっと回って東ゲートから入場することになる。
 座席については、スタンド席は開放する場所が違うだけなので、座席番号と座席表を照らし合わせれば場所は問題なく分かるだろう。問題はアリーナ席の場合だが、これも通常の場合と同じくブロック分けのパターンはほぼ決まっていると思われるので、このゆずのライブのときの配置図を参考までに次に載せる。

 会場を縦に使うときと同様、会場の形が決まっている以上はここからそう大きな変更はないものと思われる。だいたいのライブはこれでカバーできるだろう。
 なお、このライブでは円形の花道が存在した。下図では一応薄い色で書いてあるが、このような形の花道はかなり特殊な例なので、あまり参考にはならないだろう。


メインスタンド側ステージの場合のアリーナ席ブロック分け。

4. その他情報

(1) 持ち込み

 持ち込みは可能。客席内での飲食も注意されない。問題ないだろう。そもそも会場内に売店があるし、ケンタッキーなどもあるので特に困ることはないと思う。
 ただし、芝の保護のため、アリーナ席では水以外の飲食は厳禁である。日産スタジアムのピッチ(サッカー場部分のことで、ライヴではアリーナ席として使われる)は、Jリーグからベストピッチ賞を何度も受賞しているほど非常に評価が高いので、ライヴでそれを台無しにすることがないよう気をつけてほしい。
 あくまでここはサッカー場であり、ライヴで使うのは借りているだけだという意識が客の側にも必要だろう。あまりにマナーが悪ければ、ライヴ会場として貸してくれなくなってしまうかもしれないのだから。

(2) 携帯電話

 野外なので問題なく使えるはずなのだが、たいてい開演前やアンコール待ちなどは皆一斉に通信しようとするため、混雑して繋がらないことが多い。
 基本的には使えない(より正確に言うと、使いたいであろう時には使えない)と思っておくべきだろう。

(3) グッズ販売

 場外でのみ行われているようである。

(4) トイレ

 どうしても足りないのは自明である。開演中に行くか、前もって外で済ませておくべきである。開演前やアンコール待ちの時に行くのは事実上不可能。

(5) 車椅子席

 1階スタンドの通路前にスポーツ会場として使われる時の車椅子スペースがあり、ライブの時でもそこが使われるようである。もともとそのためのスペースなので、変なところに連れて行かれるよりは見やすいだろう。ただし、上手・下手などは選べないと思われる。


通路の一部出っ張っている個所が車椅子スペース。

 このスペースは各ブロックに1つあり、どの場所を使うかは主催者次第である(チケットに記載された座席に一番近いスペースになるとは限らない)。とはいえ、どの席もきちんと車椅子用に作られているだけあって、前の人がジャマで見えないということはありえない。
 下の写真はN11入口の車椅子席から見たステージだが、つくりはどのブロックも同じである。


5. 終演後

 日本最大級の会場だけあって、死ぬほど混雑する。カーテンコールのうちに抜け出してしまうのが正解だろう。
 席によっては規制退場がかかるので、早く帰りたければコンサートが全部終わる前に抜けなくてはならない。規制にひっかかると、最悪で1時間近くも会場内で待たされることになる。特にアリーナ前方の人は、名残惜しいだろうが最後の曲を歌い終わったらまだカーテンコールが残っていても席を立ったほうがいいだろう。
 場合によってはカーテンコール中に出口を塞ぎ始めることもあるので、遠征などで帰りを急いでいて確実に出たいならば、ラスト1、2曲は諦めてとっとと出るくらいのつもりのほうがいいかもしれない。

 会場を出た後は、新横浜駅を使うか小机駅を使うかによって進む方向が違うので、係員の誘導に従って駅まで向かえばよい。食事をするならば新横浜に向かうことになる。また、新幹線や地下鉄で帰るならばもちろん新横浜に行くしかない。

 気をつけたいのは、混雑がひどくなると駅に入場制限がかかる場合があるということである。JR新横浜駅は駅の規模が大きいので入場規制ということはまずないが、地下鉄新横浜駅はあまりに混むと駅に入れなくなる場合がある。

 JR小机駅は、会場からの距離は近く便利だが、駅が非常に小さいのでこちらも入場制限がかかる可能性がある。小机駅から帰ろうとしている場合は特に早めの行動が必要である。


6. 公式情報

客席数72,327席
所在地横浜市港北区小机町3300
所在地045-477-5000
オフィシャルサイトhttp://www.nissan-stadium.jp/