2014/2/27 - 1万円越えのチケットはやっぱり高かった件

 こんにちわ。中の人です。先月、ラルクのチケット1万円って比較すると普通じゃね?っていうツイートをしたところですが、本当にそれが普通なのか、一部のクラスタだけの普通じゃないのかと思って調べてみた結果がこちらです。






 まず「普通のアーティスト」の基準を考えてみますと、「人気があるアーティスト」というのがやはり妥当だと思うので、オリコンが毎年発表している「好きなアーティストベスト20」の2013年度版にランクインしている人(グループ)について、直近3回分のライブのチケット料金を調べてみました。


 なお、直近3回というのは公式サイトかWikipediaで調べたので、もしかしたら漏れがあるかもしれませんが、あったとしても普通ライブごとの料金が毎回大きく異なるとは思えないので、結果にそんなに差は出ないと思います。







 ここで「デビュー年」も調べているのは、一般的にベテランになるほどチケット料金も高くなるので、その相関を取るためです。ネタ元は基本的にWikipediaで、メジャーデビューした年(デビューCDの発売年)を書いてます。
 また、料金についてですが、複数の値段設定がある場合は一番高い席(ただしプレミアム席のような設定は除く)の料金を見ています。


 表を見ればわかるとおり、宇多田ヒカルとYUIは今はライブをしていないため、調べる意味がないので割愛しています。またサザンは去年のツアーの前が2008年であり、他と比べてデータが古すぎてしまうのでこれも除外しました。


 で、この過去3年分をデビュー年と料金の2軸でプロットした図がこちらです。







 この図でもなんとなく雰囲気はわかりますが、ごちゃごちゃしてしまっているので、料金を3回のライブの平均値に変更すると次のような表になります。







 こうするときれいに相関が出ます。緑の帯は、幅を1000円くらい(目分量ですが)とって線形近似曲線をおいてみたものです。こうするとほとんどのアーティストがこのライン上に収まります。


 そうして見てみると、aikoとスピッツは平均に比べて安いということが明らかに言えますね。きゃりーぱみゅぱみゅもラインから外れていますが、デビューが最近すぎるので単純に安いとは言えないかもしれません。


 逆にももクロとEXILEは高いです。相場と比べると明らかにぼったくり感があります。B'zも飛び抜けてますが、B'zはSS席、S席、A席の3種があり、それぞれ12,000円、8,500円、5,000円と値段に大きな差があるので、他のアーティストと同じ感覚で見ることはできません。またB'zの場合、SS席はFCのみの販売なので、一般で買える一番高い席であるS席の値段で見ると8,500円となり、ライン内に収まります。


 どうでもいいですけど、席種が3つあるときにSSとSとAに分けるの気持ち悪いのでやめてほしいです。AとBとCでいいじゃんね。


 さて、これと比べるとラルクの1万円は明らかに高いです。ラルクは1994年デビューなので、この表にあてはめると7,800円くらいが相場だと言えます。最初に貼ったツイートで触れたXもLUNA SEAも高いですよね。旧V系世代のライブはみんなぼったくり商売のようです。


 これで終わってもいいんですが、せっかくなのでもう一つ別の観点でも調べてみました。人気のバロメータとしてオリコンのランキングというのは一応信用できると思いますが、もう一つ、実際のライブの動員という観点で、日本武道館でのライブのチケット料金を調べてみました。武道館でライブをやるというのは一定の人気があることのひとつの目安と言えますからね。


 こちらのソースは、クソみたいな公式サイトを補って余りある素敵な仕事をされている「日本武道館スケジュール.Web」から、2013年と2014年の2年分のデータを使わせていただきました。こちらのサイトはいつも利用させていただいております。


 やはり上と同じように、料金はプレミアム設定を除いて一番高いものを使い、デビュー年はメジャーデビュー年としています。Wikipediaにデビュー年が明確に書かれていなかったり、そもそもメジャーデビューしていなかったりする場合はCDデビューの年を使っています。


 このデータからワンマン以外のイベントや招待客のみのイベント、複数公演を除外したものが下の表です。







 そして、さっきと同様にデビュー年と料金でプロットしたものが下です。邦楽と洋楽では料金相場が違うので色分けしています。また、韓国系もちょっと違うのでやはり同様に色を変えています。あと、データが多いので、アーティスト名を書くとごちゃごちゃになってしまうためあえて記載していません。







 洋・韓を含めてみるとばらつきが大きすぎるので、邦楽のみで近似値をとったのが緑の帯です。さっきのベスト20よりはばらつきがありますが、ある程度相関はあると言えるでしょう。


 邦楽に関してはだいたいベスト20で見た結果を裏付けるような結果になったので、やはりこのくらい、だいたい若手で6,000円前後、15年以上のベテランでも8,000円行くかどうかというところが相場だと言っていいでしょうね。1万円級というのはやっぱりどの年代でも高いと言えるようです。


 もちろんこれは武道館の平均なので、普段ライブハウスで活動しているバンドなんかだと3千円や4千円台ということも普通にあります。大きなホール〜アリーナクラスのアーティストとしてはこのくらいが相場、というふうにご理解いただければと思います。


 しかし、洋楽と韓国系はほんとに高いですね。洋楽が高いのは昔からですが、韓国系もがっちり稼ぎに来てるというのがよくわかります。もともと洋楽はめったに来日しないので、多少高くてもたまの機会だからということで買っちゃうというのはあったと思いますが、韓国系はしょっちゅうライブしているので、それでこの値段というのはホントにいいカモにされてるんだなと思いますね。