2015/8/5 - ブリトラが再デビュー…契約は大丈夫か?
8月3日深夜にフジテレビで放送された「THEビッグチャンス」で、ブリーフ&トランクス(ブリトラ)が優勝、再デビューの権利を獲得した。
番組内では、伊藤多賀之(ブリーフ担当)がドイヒーなボケを連発し、司会者および審査員の失笑と怒りを誘っていた。例えば次のようなものだ(発言は筆者の記憶によるため、多少の間違いはご容赦いただきたい)。
・歌い終わって
劇団ひとり(司会)「どうでしたか?」
伊藤「自分たちのサカッ、サッカーができました!」
ひとり「はぁ?」
・投票前に出場者全員にコメントを求められ
伊藤「いい感じだったので、もう一度やりたいです!」
ひとり「生放送でボケるのやめてもらえます?」
・優勝し、デビュー契約書にサインするところで
伊藤「大丈夫ですかこれ?連帯保証人とかじゃないですよね?」
ひとり「いいかげんにしてもらえますか!!」
最初のボケでいきなり噛むという失態を演じ、細根誠(トランクス担当)からもたしなめられていた伊藤だが、最後のボケでも触れているように番組内で契約書を読む間もなくサインさせられていた。はたしてこれは問題にならないのだろうか。ブリトラに詳しいまるほどう龍一弁護士に聞いた。
● 無効になる契約とは?
「契約書の内容にもよりますが、基本的には有効に成立していると考えられます」
まるほどう弁護士はこのように述べる。
「契約は当事者双方の意思の合致により成立しますので、『メジャーデビューする(させる)』という意思がレコード会社とブリトラとの間で一致している以上、契約は成立していると言えるでしょう」
しかし、伊藤の言うように、もしこれが連帯保証人の契約だったらどうなるのか。
「その場合は、『メジャーデビューする』という意思と『連帯保証人になる』という契約内容が一致していません。これは錯誤による契約として契約自体が無効になると思われます。
また、『メジャーデビューできる』ということが前提の番組ですから、契約の内容が実は連帯保証だったとなれば騙されたということになり、詐欺による契約として取り消すことも可能でしょう。
そもそも、契約内容を読まずにサインするということは非常に危険ですから、必ず内容をじっくり読まなければいけません。日常生活でそのような場面にあった場合、その場ではサインせず、持ち帰ってよく読むべきでしょう。」
確かにその通りだが、ブリトラは番組終了間際にサインさせられており、内容を読んでいたら生放送の枠内に収まらなかった。どうすればよかったのだろうか。
「そこはテレビですから、事前に内容は説明されていたと考えるのが自然でしょう」
まるほどう弁護士はこのように述べていた。